世の中の流れに「流行」というものがあるように不動産にも流行というものがある。最近で言えば新入学シーズンにおいての流行もあれば、外観や設備といった具合の視覚的・機能的な流行もある。そして間取りや館内施設などにおいても流行というものがある。この「流行」というのは需要に直結しており、そのものが賃料や販売価格に直に影響を与える。
では今年はどのような流行を見せるのだろうか?年が明け平成23年がスタートしたわけだが、去年の年末に賃貸の動向が弱かった分、年始から徐々に活気づいてきたように思える。接客をしていると必ず希望や要望が聞こえてくるわけだが、その内容こそが重要なポイントであり流行を示すキーセンテンスなのである。実際の声を聞いてみると@平成年代築、A家具家電付き、B浴トイレ別、Cスーパー・コンビニ、Dオートロック、E暖房機で使用する燃料・・・希望や要望は挙げればキリはないが@〜Eの要望が割合としては高い。もちろん全ての要望を満たそうとすれば賃料は必然的に高くなり、また物件そのものの希少性が高まるため探すのも難易度が高くなる。ただ、要望や希望を満たしている程賃料は高くなり、成約率も高くなる。
反面、どのような物件が流行から外れ、需要が落ち込んでいるのだろうか?接客する際にお部屋の希望とともに必ず聞くようにしているが、ある程度同じような返答が返ってくる。まず好まれないのは@未内装の部屋(内装が中途半端含む)、A管理がしっかりできていないマンション、B収納の無い部屋、C洗濯機置き場(排水口がない)部屋、D暗い部屋(寒い含む)、E浴トイレ同室・・・等である。女性などは一階の部屋を避ける傾向にあるし、ファミリーなどは駐車場のない部屋を避ける傾向にある。要望と同様に好まれない要因も把握しておくことが大切なのである。このように需要に流行があるように好まれないものにおいても流行というか、一連の繋がりが見え隠れする。
札幌には数多くの空き部屋があるが、空き部屋の特徴などを比較してみると、需要の流行をクリアしている点は少なく(もしくはない)、好まれない点は比較的複数にわたって被っていることが多いことが分かる。
ただ、好まれない点を有する物件の全ての物件が一概に「ダメ」というレッテルを貼られているかというとそうでもない。それはマイナス面をカバーするだけのテコ入れをしていたり、内装または改装を行うことで負の要因を除去し需要に対応出来るような形にしているものである。
全ての物件が、来店する部屋探しをする人々の需要に合うことは決してないが、需要により近付けることは可能なのである。何が必要で、何が好まれないのかを把握出来ることが空室対策・販売対策する上で一番大切な要因なのではないだろうか。
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