不動産競売はダーティなイメージ
不動産競売は一般的に暗くダーティで怖いイメージがあります。差押え、事故物件、事件番号、占有者等の専門用語が多く取扱いは裁判所です。一般的に普通の人は裁判所には行かないでしょう。
私も競売物件を数多く扱ってきましたが普通の仲介物件と比べて競売物件は売却する際にお客様に面と向かってこれは競売物件ですとは言いにくいです。
過去にマンションの売却を頼まれ契約決済の後、売主から競売物件を手がけている者はロクな奴でない。人道に反しているなどと言われた事がありました。人が困って泣く泣く競売にかけられ住まいを差押さえされ他人の手に渡る。
売主がたまたま考え方が右寄りだったこともありますが、不動産競売で物件を取得している私がこのように言われたものだから大きなショックを受けました。自分のやっていることは人道に反しているのかなと悩み一つの結論に達しました。
不動産競売は債務者保護
不動産競売は、金融機関等からローンを組んで融資を受け債務者がローンを支払えず債権者が抵当権に基づいて裁判所に申立をし強制執行する一種の裁判です。
これにより債権者は債権の全額回収は無理としてもある程度まとまった債権を回収し、競売後の残った債権の償却をします。
債務者(所有者)は、不動産を取られるが抵当権は抹消され残債務を債権者から請求れる可能性は低いでしょう。もし、債務者が任意売却の道を選んで公正証書など作成したら大変なことになるかもしれません。
競売は債権者保護よりむしろ債務者保護のシステムと考えた方がよいと思います。そして競売の落札者は、競売参加入札者の中の最高価買受人だから不良債権処理に最も貢献しているといっても過言ではありません。
私はこのように割切って競売を考え正当化して積極的に不動産競売に参加しました。
当時は平成3年が過ぎて金融機関の総量規制が始まり、バブル経済が崩壊し政財界上げて不良債権処理が叫ばれ私は使命感をもって競売に取り組みました。
以前取引のある外資系証券会社のファンドマネージャに東欧の共産圏では、不動産競売が無いから金融システムがうまく機能しないと聞いたことがあります。
共産圏では土地が国有か公営なので個人に対して不動産担保の融資が出来ない状況にある。これを解決しなければ東欧の共産圏に経済の発展はないだろうと。この話しを聞き不動産競売のシステムが資本主義社会の発展の一因だと実感しました。
不動産競売はギャンブル性が強い
自分で何回も入札して落札できず競売に向いてないと思ったら不動産競売はやめたほうがよいだろう。時間と労力の無駄です。
私は運良く初めての入札で落札できました。これは私に少なからずギャンブルや競売の運やツキがあったからだと思います。
1年間裁判所に通って何回入札しても1度も落札できない人が数多くいると前出の競売に詳しいO社のK社長に聞いたことがあります。
競売をギャンブルにたとえるならパチンコとマージャンを掛け合わせたゲームだと思います。
パチンコは台の選択からはじめます。これは競売の物件調査と似ています。良い台にあたらないと玉は出ない。不動産競売も物件の選択をしっかりやらないと後で大変なことになります。
良い物件が決まったら今度は入札価格が問題です。当然良い物件には大勢の入札者の参加が予想されます。 この物件には何人くらい入札者がいて落札価格はどれ位になるか判断できないとダメです。 競売のプロだったら誰と誰がいくらで入札して、素人は何人入札してくるか予想がつきます。
マージャンをやっているような感覚で相手の手の内を読みます。毎回入札していると物件と入札者の癖が分かってくるのです。
次回は競売で運とツキを味方につける方法について・・・・
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