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第二十の鉄人   札幌市在住 生涯現役を目指す S・S
     

私の空室対策 MY WAY






 衣・食・住のなかで一番大事なのは住なのではと考えています。
なぜなら衣も、食も、その住空間の中で行われるからです。
最近は世界中のインテリア用品、食料品、衣類が巷にあふれています。しかし私が最初の投資マンションを札幌の中島公園沿いに求めた頃はまだそうでもありません。そのマンションのオープンの日に郵便受の名札を見るとパルコ準備室、東急デパート準備室他本州の不動産屋や保険屋の名がありました。これからの札幌を担う人々がロビーを行きかっている様で何か新鮮に感じたものです。

 そんな昭和40年代はアンアン、ノンノンの時代です。世界中の多種多様な情報が入ってきました。
ある時、フランス、パリから北へ3時間程の、ノルマンディー地方の小さな漁村でりんごの産地としても有名なオンフルールという町がノンノンに掲載されていました。印象派の画家達に愛された町の美しさももちろんですが家々のインテリアの素敵さに心を奪われました。名所、旧跡等に全く興味の無い私ですがこれはもう自分の目で確かめるしかありません。

 その頃パリへは年に1、2回は出かけていました。人間、生まれ変わるなら次回はパリジェンヌにとの希望でしたので・・・?。
最初に訪れた時はまだ幼稚園に通っていた息子を連れていくはずでした。しかし寸前に彼がテレビで西部劇を見て外国へ行くのは嫌と言い出し撃たれないで帰ってくる約束で親だけで行きました。それで子供のキャンセルが間に合わなく着いた部屋には子供部屋が併設されていました。
 そのドアを開けるとびっくり!8帖程でしょうか、あまりに素敵なのです。カーテン、壁紙、椅子の座面の模様が同じ美しいアールヌーボーの花柄でした。
あまりの美しさに札幌へ帰ってすぐフランス製壁紙の実践です。
予算の都合でトイレの改装です。その後、同じ年に富良野の本州系ホテルへ出かけました。そこのメインダイニングルームの壁紙と全く同じでした。壁紙にT・P・Oがあると解りました。

 オンフルールへはパリから列車とバスを乗り継いで行きます。
飛び込みで入ったホテルの部屋のベランダからは港が一望の絶景です。そのホテルの素朴なインテリアのレストランでの魚料理の美味しさは今でも忘れられません。
小さな町ですので道も狭く一軒屋がほとんどです。壁が漆喰と木の木組みの家が多いのです。
 暗くなりはじめて家々に灯りが点る頃に歩きました。まるで“見て!見て!”とでも言うかの様にどの家も素敵なレースのカーテンを掛けていても布のカーテンは無しで部屋が丸見えです。ノンノンで見たので勝手に若い世帯の家のインテリアかと思っていたのですが本そのままか、もっと素敵なLDKで食卓に向かいあってスープらしきをすすっているのは老夫婦が大方です。一生にわったって素敵な部屋でフランス人は過ごしているのだと思いました。

 これは札幌の我が家でもやるしかありません。
 大工さんに頼みました。私情を入れずこの本の通りの部屋を1畳の小上りを組み込んで作ってほしいと。
 壁は漆喰と松、天井は漆喰と丸太、床はレンガタイル、窓とベランダへの戸は両開き、台所のシンクは陶器、ガス台他は手作りのタイル張り、棚も手作りで引き出し付きのアールヌーボー調です。全体で10帖弱、小上がりでは和室気分も味わえるという和仏混合LDKの難工事を見事に半年がかりでかなえてくれ、その部屋を木造の1階の上に乗せてくれました。この部屋付の家は現在は息子夫婦が住んでいます。結婚する時に、ここの家が大好きで離れられないとのことで2世帯が住める広さは無いために親が出たのです。まあぁ結婚祝いでしょうか?こんなにもインテリアは人の心を捉えて離さない場合があるのです。

 平成16年頃でしょうかアパマンプラザの山崎社長は家具家電を賃貸の部屋に付ける事を私にも提案くださいました。丁度、内装工事が終わったのに賃貸が決まらないワンルームがあったので付けてみました。決まりました。考えてみると諸外国では普通の事です。その頃は照明器具、ベッド、冷蔵庫、暖房機、洗濯機、机と椅子、ガスコンロに電子レンジ、カーテンという風でしたが最近はそれにテレビ、ガスではなくIH調理器等も加える様になりました。

 パリへ行っていた頃はレースのカーテン生地やタッセルを鞄いっぱいに詰めて帰ってきては投資マンションに使っていました。又、バブルがはじけたのと同時に日本から撤退したカナダのインテリア会社の商品も結構使い効果をあげました。札幌のデパートに入っていたこの会社の閉店の日に行きましたら若い女性客で店内はあふれ、店員に「 この店がなくなったら生きていく楽しみが無い。せめてカタログ販売だけでも続けてほしい!」と詰寄っている人がいてびっくりしました。

 これからも投資マンションを売却する場合、賃貸する場合において、まずはアパマンプラザに内装工事、家具家電を設置してもらい+アルファとして私らしい《何か》を加えたいと思います。このプラス部分で私と部屋を見に来たお客様とのノンバーバル(非言語)コミュニケーションをはかりたいと思っています。

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